日本語を通じ、
思いやりのある国際人を育てる

当校は1982年に創立して以来、日本語を教え、
国際人を育成することを目的とし教育を続けてまいりました。 日本語を教えると同時に
留学生活のスタート地点であることを強く認識し、
学生生活が円滑に進むようきめ細かいサポートを心掛けています。 進路指導だけではなく、
国際社会に通じる柔軟な考え方を身に付けてもらうことに力を入れています。

教育理念

新日本学院が考える「思いやり」とは

新日本学院の学生に日本で学んでほしいのは、日本語だけではありません。 当校は「日本語を通じ、思いやりのある国際人を育てる」ことを教育の理念とし、「思いやり」が真の国際人への道であると信じて教育してきました。せっかく日本にいるのですから、日本のマナーや文化の良さを知って、たくさん日本人と関わってほしいと思っています。 2011年3月11日に起こった東日本大震災のときに、食べ物や水を求める人々がきれいに列を作る姿が世界から尊敬を集めました。人を思いやる行動は日本を象徴する素晴らしい「思いやり」の文化のひとつです。 「思いやり」とは、相手を尊敬し、相手の気持ちをわかって大切にする心のことです。 食事や時間についての考えなど、マナーは国によって違います。どこの国でも通用する正解はありません。しかし、「思いやり」は世界のどこへ行っても通用する大切なものではないでしょうか。 新日本学院では創立時代から、「思いやり」を校風としています。皆さんは、留学生活の中で、当校の教職員から「思いやり」の心をたくさん感じることができるでしょう。 そして皆さんにも、日本で生活していく上で、上手な日本語や日本についての知識以上に大切なこととして、この「思いやり」を学んでもらっています。

教育目標

  • 「読む」「聞く」「書く」「話す(やりとり)」「話す(発表)」の中で、一人一人が必要な言語活動を効率よく習得し、実社会で力を最大限に発揮できるよう育成する。
  • 学習能力、情報収集力、自己表現力を身につけさせ、自ら目標を実現できる力を養う。
  • 異なる文化を理解し、広い視野を持った国際人を育てる。
  • さまざまな活動を通じて地域社会に貢献し、思いやりと規範意識のある人材を育成する。

求める学生像

  • 思いやりと母国の代表としての自覚を持ち、自ら良いことを積極的に行い、他者を理解しようとする学生。
  • 社会について理解を深め、社会に参加する意欲・姿勢を持ち、マナーを身に付け、社会人として信頼される学生。
  • 目標やなりたい自分像を持ち、自分に必要な日本語能力を具体的に意識し、それに向かって主体的に学び続ける学生。

求める教師像

  • 地域社会との関わりを意識し、教室授業だけでなく、地域や社会活動を通じて広い視野を養う教師。
  • 学生が今後の社会生活において必要な日本語能力および日本社会の一員として困らないマナーと規範を伝える教師。
  • 学生1人1人に活躍の機会を作り、一方的に知識を伝達するだけではなく、学生自ら考える手助けをできる教師。

求める授業像

  • 教師が質問によって学生に発話を促し、考えさせ、課題を解決させる授業。
  • 言語知識の定着にとどまらず、運用能力、言語使用の際の方略能力について意識し、学生が発話や自己表現をする機会が多くある授業。
  • 学生が日本社会の一員として、定住、定着していくことを意識し、社会で必要なコミュニケーション能力の向上に結び付く授業。
  • 社会・文化的情報・交流・体験活動等を盛り込み、教室活動に限らず、社会や地域とのつながりを意識した授業。

理事長あいさつ

Bi Lee

畢 煜

1976年
中国山東省生まれ
1997年
来日
2004年
東京大学経済学部卒業 新日本学院理事長就任

国際人への条件

新日本学院は1982年に創立され、「日本語を通じ、思いやりのある国際人を育てる」ことを教育の理念としてきた。では、国際人になる条件はなんだろう。日本語が流暢に話せ、N1試験に合格すれば、国際人になれるだろうか。答えはNOであるのが明らかである。そもそも、人は生まれ育った環境が違っていれば、マナー、文化、価値観も違ってくる。例えば日本では時間を守ることをマナーとしているが、ネパールでは約束の時間より1時間前後の「遅刻」が礼儀正しいとされている。国際共通のマナーもなければ、文化、価値観もさまざまだ。「国際人」ならラーメンを食べる時音を出していいかどうかを議論しても、正解がないように、仏教かキリスト教かイスラム教か、何が真理であるかも正解がない。 しかし、世の中何か共通するものがあるとすれば、それは「相手の立場や気持ちを理解し、尊重しようとする心」であることだと思う。それを「愛」と言う人もいれば、「慈悲」と言う人もいる。当校の設立者苗明豊先生はそれを儒家思想の「仁」であると教え諭してくれた。我々が目指す「思いやり」の理念でもある。 日本人が当たり前だと思っている「マナー」が、初めて日本に来た留学生にとっては「非常識」である時もある。我々は学生たちに日本語だけではなく「日本のマナー・一般常識」についても授業の一環として教えてきた。「日本のルールだから守れ」ではなく、「日本社会での一般常識」を教えている。そして、「思いやり=相手の気持ちを尊重すること」が大切であることを日本語教育を通じて伝えている。相手の気持ちを尊重できれば、例えば日本の時間感覚と違うネパール人でも、日本の常識で自然に行動できる。 留学生は、マナーだけではなく、人間とは、幸福とは…と言った根源的な面で今までとは全然違う価値観を持っている。これらがぶつかり合った時に、彼らを無視して日本に合わせさせたり、日本を無視させたりするのではなく、日本の立場を理解させ、尊重させた上で、彼らの立場を主張してもらうことが真の国際人の育成につながるだろう。 いくら日本語が完璧に話せても、いくら日本に関する知識があっても、この他人を思いやる気持ちがなければ、日本の社会に溶け込めないと私は思う。一方、教育者の我々は留学生たちを包容していくだけの「思いやり」の精神がなければ、学生を理解し尊重できず、文化と価値観の強要となってしまう。 「思いやり」こそが国際人育成のカギである。当校を卒業した留学生が、真の国際人となり、日本の地域で、そして世界で活躍してくれることを願っています。